「丁寧に造って、丁寧に売る」
田村酒造場は、多摩川のほとり、西に奥多摩の山並みを望む東京・福生で、文政五年(一八二二年)より酒造りを続けてまいりました。酒銘「嘉泉」は、この地で得た酒造りに適した水を「嘉き泉」と讃えたことに由来します。この水に向き合い、米を見極め、人の手を惜しまず、一本一本を丁寧に仕上げる。それが、二百余年にわたり受け継いできた私たちの酒造りです。
「丁寧に造って、丁寧に売る」。量を追うのではなく、自分たちの目が届く範囲で品質を磨き、その酒が生まれた背景や造り手の思いとともに届ける。日々の食卓に寄り添う一杯から、大切な節目を彩る一本まで、飲む方の時間を豊かにする酒でありたいと考えています。
守るべきものを守りながら、時代の変化を捉え、新たな酒造りに挑む「進取の精神」もまた、田村酒造場が受け継いできたものです。積み重ねてきた技と心を礎に、今の時代にふさわしい味わいや楽しみ方を探り、日本酒の可能性をひらいていく。それも、私たちの役目です。
江戸から東京へ、そしてその先へ。
田村酒造場は、嘉き泉とともに、これからもこの土地に根ざした酒を醸してまいります。